終演までは、どうかワルツを。 20話
九門の言葉通り、土手から見る夕日は圧巻だった。空一面を薔薇色に染め上げて、ゆっくり西へと沈んでいく。雲の陰影もあいまって、一枚の絵画のような荘厳さがあった。
「めっちゃヤバイじゃん!」
興奮した一成はスマートフォンを取り出して、さっそく夕日へカメラを構えている。いい位置を探そうと、数メートル先へ歩いていく背中を見つめる九門はほっと息を吐く。
基本的に一成というのはテンションが高い。九門の記憶でも、楽しそうに笑っている姿がほとんどだし、そうでなくともやさしく笑っている印象が強い。
今の一成も基本的によく笑ってはいる。いつも落ち込んでいるとかそういうことは全然ないのだけれど、それでも九門は心配だった。
一成が天馬のことを大好きなのは知っている。天馬は一成が大好きなのも知っている。
同じ気持ちを持っているのに、なぜかハッピーエンドにならない二人のことが九門は心配だったし、特に一成は今一番近くにいるものだから、どうにか笑っていてほしいと思っていた。
だから、テンション高く夕日に向けて連写をしている一成の姿に、九門はほっとしたのだ。ああ、いつものカズさんだな、と思って。
「くもぴ~! 見て見て、これすごくね!? めっちゃやばたんな写真撮れちゃった!」
夕焼けと同じ色に染まった一成が、手を振って九門を手招きする。よっぽど会心の写真が取れたのだろうと「うん!」と返事をする。そのまま走り出した九門は、しかし途中で足を止めた。
夕焼けに染まって手招きする一成に、なぜか既視感を覚えたからだ。
こんな光景を、どこかで見ただろうか。一成と一緒に夕暮れの道を歩いたのは初めてではないから、同じ記憶があってもおかしくはない。だから、わざわざ立ち止まるような出来事ではないはずなのに。
「――くもぴ?」
不思議そうな顔で、一成が名前を呼んだ。突然立ち止まったことが純粋に疑問だったのだろう。さっきまでのテンションの高さは影を潜めて、日常の延長線上にあるような落ち着いた声で名前を呼ぶ。
その表情の穏やかさだとか、手にしたスマートフォンだとか、買い物帰りの袋だとか。そういうものが、九門の頭で弾けて一つの映像を結んだ。
恐らくそれは一瞬で、大した時間ではなかったのだろう。だけれど、一瞬で充分だった。脳裏に浮かぶものがなんであるか、自分が何を思い出したのか。それさえわかれば、九門には充分だった。
「カズさん、どんな写真?」
「これこれ!」
すぐに足を踏み出した九門は、一成に追いついて尋ねた。並んでゆっくりと歩き出す。
一成はスマートフォンを見せて、一枚の写真を見せてくれる。
川面を挟んで映し出される街並みと、目の前の空があざやかな薄紅に染まっている。暮れゆく空にかかる雲と、建物の陰影がコントラストとなり、この一枚だけで一成のフライヤーデザインになりそうだった。
「すっげー! 綺麗だけどカッコイイ!」
「だよね!? この橋のところに文字置いたら絶対締まるし!」
ワクワクとした調子で続ける一成は、何やら専門用語を口にしていてすっかりデザイナーの顔だ。
「夕焼けっていいよねん。神がかったグラデーションとか、この発色どうやって出すんだろ?って色が空にばーって広がってるのめっちゃテンション上がるし、世界が終わっちゃうんじゃないかってくらい強烈な夕焼けもあるし、反対にすごく繊細で胸がきゅーってなっちゃう夕焼けもあるし」
夕陽にインスピレーションを受けたらしい一成は、頭の中に浮かぶ色々なものを取り出して饒舌に話す。九門はそれを嬉しそうに聞いていた。
「――あ、ごめピコ。なんかめっちゃ語っちゃった。退屈だったっしょ?」
「全然! カズさんの話聞いてるの楽しいし――それに、オレも夕日って好きなんだ。ちょっと寂しいけど、でも同じくらいにほっとするから」
「わかるかも~。夕焼けって帰り道の印象あるよねん。誰かと別れる時の寂しさと、おかえりって言ってくれる場所に帰れる安心感、みたいな?」
冗談めいて告げられた言葉だけれど、一成の心からの言葉であることを九門は理解している。だから思ったのだ。さっき思い出したもの。伝えたいこと。口にするなら今なんじゃないか、と。
「――あのね、カズさん」
小さく深呼吸をしてから、九門は口を開く。
一成は九門の空気がわずかに変わったことを察して、真っ直ぐと九門を見つめる。語られる言葉をきちんと聞けるよう、意識を向けたことがわかる。
そうやって、一成はいつでもちゃんと話を聞いてくれるのだと、九門は知っている。だから、きっと、自分が心からの言葉を伝えれば届くはずだ。九門はそう信じている。
「オレ、カズさんと天馬さんが一緒にいるのが好きだよ」
一成が目を瞬かせたのは、突然何を言い出すのかと思ったからだろうか。それとも、天馬と一成二人の話だからだろうか。
九門は必死で脳みそをフル回転させながら言葉を形にする。
「結構前のことだと思うんだけどさ。オレ、カズさんと天馬さんが一緒に帰るところ見たことあるんだ。買い出しの帰りだと思う。二人とも買い物袋持ってたから」
天馬と一成が一緒に買い出しに行くのは、さして珍しいことでもない。MANKAIカンパニーの団員ならばありとあらゆる組み合わせで買い出しが発生するし、同じ組ならよりその可能性が高い。
それでも、九門がその光景をハッキリと覚えていたのにはわけがある。
「たぶん、二人が付き合ってるって聞いたすぐあとだったんだ。邪魔したら悪いかなって思って、オレ声かけないで後ろ歩いてたから」
「ごめピコ~。でも、全然声かけてくれてオッケーだからね!? 邪魔じゃないから!」
申し訳なさそうな顔で一成は言うし、実際邪険にはしないだろうと九門も思っている。それでも、きっと九門は声をかけないだろうと思う。
「後ろから見てた天馬さんとカズさん、すっごく幸せそうだったんだ」
九門がその光景を覚えていたのは、二人の関係性を聞いたばかりだからということもある。だけれど、一番大きいのはその光景があまりにも幸福に満ちていたからだ。
「ちょうど夕方で、商店街の通りも夕焼け色だった。カズさんも天馬さんも同じ色だった。別に手をつないでるとかそういうわけじゃないし、ぱっと見たら全然普通の友達なんだけどさ。でも、隣同士で一緒に歩いてるだけで二人ともすごく嬉しそうだった」
恐らく、近しい人にしかわからないささやかな違いだった。だから、九門でなければきっと気づかない。並んで歩く二人があふれそうな喜びを心に抱えていることは。
「何かその時、カズさんがちょっと先に行ったんだよ。スマホで写真撮ったのかな。それ撮ったあと、振り返って、天馬さんを呼んでたんだ」
九門は言う。あの時自分が見たもの、感じたものを懸命に言葉にした。
夕焼けに染まって手招きする一成。少しだけ呆れたような顔をした天馬が、足早に一成へ近づく。再び近くなった距離に、二人が笑った。
特別な何かがあったわけではない。ただ、同じ場所にいる。近くに互いがいる。その事実がどうしようもなく嬉しい、そんな風に笑った。
「あの時、カズさん天馬さんのこと大好きなんだなって思ったし、天馬さんめちゃくちゃカズさん好きなんだなって思ったんだ」
特別なんて要らないのだ。ありふれて平凡な、ささやかな日常。それだけで二人にはきっと充分なのだ。お互いがいれば、些細な瞬間さえ愛おしいものに変わってゆくから。
「全然普通の毎日だって一緒にいたら幸せだって思ってるんだって、二人を見てたらわかるよ」
九門は真っ直ぐと一成へ視線を向ける。丁寧に自分の言葉を拾って、胸に仕舞ってくれる一成へ。もしかしたらこれは、一成にとって望む言葉ではないのかもしれない。それでも。
「オレ、二人が一緒にいるところが大好きなんだ」
これはきっと無責任な言葉なのだと九門は思う。それでも言いたかった。伝えたかった。
二人が一緒にいることは、全然関係ないはずの自分にも幸せを運んでくるのだと。二人が共に在ることは、自分にとっても幸福な光景なのだと。
「――ありがと、くもぴ」
数秒の沈黙のあと、ぽつりと落とされた言葉は驚くほど小さかった。一成から発せられたというのが冗談に思えるくらい、普段とはかけ離れた声音。
だけれど、九門は当然のように受け取る。それが一成からの答えならきちんとキャッチするのだ。
「ううん、全然! てか、勝手なこと言っててごめんね。でも嘘じゃないから――だって、カズさん、天馬さん大好きでしょ?」
事の顛末は幸が説明している。
だから、天馬のプロポーズを断ったことも九門は当然知っているのだけれど、一成の気持ちを微塵も疑ったことはなかった。
事実だけ取り出せば、天馬への想いが冷めたので一成がプロポーズを断った、という結論に至ってもおかしくはない。
しかし、夏組の誰一人としてそうは思わなかった。一成が天馬を好きだというのは、夏組にとって疑う余地のない事実なのだ。
一成もそれは理解していた。
一成が天馬を嫌いになって離れようとしたなら、恐らく夏組はもっと別の手段を取るし天馬に動向も教えない。そうではないと知っているから、あくまでも天馬と一成の橋渡し役を務めようとしているのだ。
だから、一成は素直にうなずいた。
天馬のことが大好きか。イエスに決まっている。そうでなければ、嫌いになっていたら、もっと事態は簡単だった。
九門は一成の返答に嬉しそうに笑ってから、少しだけ困ったように眉を下げる。
「天馬さんのことが大好きってだけじゃだめなのかな?」
「――だってくもぴ、皇天馬だよ。オレみたいな、たまにテレビ出たりちょっと雑誌に載せてもらったりするような立場じゃなくて、名前があれば視聴率が稼げてバンバン雑誌で特集組まれちゃうんだから」
日本の芸能界を牽引していくであろう存在が皇天馬だ。もしも天馬がただの一般人だったなら、違う未来もあったかもしれない。
親しい人や家族にだけ打ち明けて、人生を共にする相手として互いの手を取り合ったかもしれない。だけれど、皇天馬は日本で知らぬものはない有名人だ。一挙一動が注目される存在だ。
「大好きってだけで突っ走るには、影響力がありすぎるよね、テンテンは」
わかっていた。だから、学生時代で何もかもを終わらせるべきだと思ったし、実際それは途中まで上手く行っていた。あの千秋楽の一夜までは。
「皇天馬の名前に傷をつけるわけにはいかないから、仕方ないよねん。元々、いつかちゃんと手放さなくちゃって思ってたし、ずっと前から決めてたんだよ」
だから九門や夏組が気にすることではない、という意味を込めてそう言った。もっとも、成果がはかばかしくないことは、一成自身がよくわかっている。
「――手放せてないからこんなことになってるんだけど。くもぴにも迷惑かけてごめんね。ちゃんと手放せてたらこんな風に逃げなくて済んだし、みんなに迷惑もかけなかったのに……」
自嘲の響きを乗せて、一成はそう言った。ずっと前から決めていたのに。学生時代で終わらせるはずの恋だったのに。一成は今もまだ、その恋を手放せずにいる。
一成の懺悔にも似た言葉を、九門はじっと聞いていた。
夕暮れの中ぽつぽつと落とされる、手放すはずだった恋心の行方を、その顛末を。長い間握りしめたまま、ついぞ手元から放すことができなかった恋心を。
しかし、一成は途中で口をつぐんだ。はっとした表情になったかと思うと、次の瞬間には明るい笑顔で九門に告げる。
「――あはは、ごめんね、変な話して。やっぱり、夕焼けってしんみりしちゃうからかな~。つい語っちゃったよん」
見慣れた笑顔を浮かべて一成は言う。今の話をなかったことにするような素振りに、九門は「そんなことない」と言おうとした。
それは一成の心の内を語る言葉だったから、変な話なんかじゃないと告げるつもりだった。しかし、口から飛び出たのは別の言葉だった。
「――手放せないのは、悪いことかな」
その言葉に驚いた顔をしたのは一成だけではない。口にした本人である九門も、びっくりしたような表情を浮かべている。
だけれど、耳に届いた己の声に、九門はすぐ理解する。思わずこぼれてしまったこの言葉は、たぶん、奥底で眠っていたオレの本当だ。
「ねえ、カズさん。手放せないのは、そんなに悪いことかな」
真っ直ぐと、一成を見つめて九門は問いかける。罪の告白みたいな一成の言葉を聞きながら、九門はきっと思っていた。
まるでひどい間違いを犯してしまったみたいに、持ち続けた恋心を懺悔する一成に言いたかった。
「カズさんがいっぱい色んなこと考えて出した結論だっていうのはわかってるんだ。だから、カズさんが間違ってるとか、オレの言うことが正しいとか、そういうことじゃないんだけど。でもね、手放せなくて持ったままじゃだめなのかな」
強いまなざしで、九門は尋ねる。一成の視線がゆらりとさまよって、何だか申し訳なさそうな表情を浮かべるのは、一成の中で答えは決まっているからだろう。
それを察した九門は、一成の答えが形になる前に口を開いた。ずるいことをしていると思いながら。
「オレはだめかな」
「え?」
唐突な問いかけに、一成がぱちりとまばたきをする。予想外の質問だったのだろう。申し訳なさではなく、純粋な驚きを浮かべた顔で九門を見つめている。
九門はその様子にほっとしながら、内心で「ごめんね、カズさん」と謝った。だってオレは、今からとてもずるいことを言う。
九門は小さく深呼吸をしてから、唇に言葉を乗せる。
「オレは結局、野球を手放せなかったよ」
そう言って浮かべられた笑み。
九門は青空のよく似合う少年で、大人になった今でもそうだった。雲一つない快晴の、すこんと突き抜けた空を背負うような気持ちのいい青年だ。
だけれど、今その口元にのぼる笑みは、暮れゆく空の色をしていた。
「プロ野球選手になるんだ! って頑張って、だけどだめになっちゃって。野球とはちゃんとサヨナラしたつもりだったけど、オレは結局今も野球を手放せないまんまだ」
九門がMANKAIカンパニーに入団した経緯を、一成はもちろん知っている。初主演を務めた第四回公演で触れた彼の傷を、板の上で戦った九門の姿を、忘れるわけがなかった。
「カンパニーでいっぱいいろんな役やってさ。野球とは全然関係ない自分になって、いろんな世界が見られて本当に楽しかったし、オレああいう瞬間大好き。でも、野球を見るのも好きだし、小さな試合でも投げられたら嬉しい。それで、みんなで勝てたらもっと嬉しい」
白い歯をこぼして九門は笑う。青空のよく映える笑みのようだった。だけれど違った。
これは、失ったものを知りながらそれでも胸に抱え続けようとする、寂寞と愛おしさのほほえみだ。全てを照らす光ではなく、小さく灯る明かりを抱きしめるような。
九門は言う。
オレはプロ野球選手になれなかった。部活だって最後までできなかった。全力で戦ってここまでやり切った!って言うこともできなかった。
野球とは全然違う道に進んだはずだった。だけど、その道でもオレはやっぱり野球と手をつないでる。
静かな目をして、口元に小さな笑みを浮かべて、九門は尋ねる。
「ねえ、カズさん。今も野球を手放せないのは、悪いことかな」
「――違う。違うよ、くもぴ」
顔をゆがめて首を振る一成に、九門は「うん」とうなずいた。
一成がそう答えることはわかっていた。だから九門は言ったのだ。
手放せなかった、ずっと大好きだったもの。一成の恋心と意味は違うかもしれない。だけれど、九門も知っていた。手放せなかった。大好きだった。どうしたって、手放せなかった。
一成は、九門の言葉の奥底にあるものを理解している。簡単に手放せないのは、それほどまでに大事だったからだ。どんなものより一等大切にしてきたからだ。
それがわかっている一成は、決して否定できない。
だから九門は言った。手放せなかったことを悔いている、目の前の人に向けて。自分の心なら簡単に否定できるのに、他人の心を否定することができない、いつだってやさしい人に。
「それにさ、手放せないのも悪いことばっかじゃないんだって、最近思うよ。野球やってたおかげで助かってることいっぱいあるし。体力作りとかもそうだけど、野球好きな人とめちゃくちゃ話弾むし!」
声のトーンを明るくした九門が、楽しそうに言った。
九門がずっと好きだった、今でもずっと好きなままの野球は今九門の人生を色んなところで助けているという。一成は九門の言葉を、丁寧に聞いている。
「オレが今出てるドラマだってそうだよ。オーディションの条件が野球経験者だったけど、その中でも現役で野球やってるほうが良くて。実際の投球見せたらめっちゃ喜んでくれた!」
九門が現在出演しているスポ根もののWebドラマは、全員が経験者というのがうたい文句だった。さらに、その中でも九門の実力は本物だ。
結果としてそれが話題になり、ドラマとしても高評価を得ているのだから、確かに野球は九門の芝居も助けているのだろう。
一成ははっとした顔になり、わずかに嬉しそうな表情で口を開く。
「うん。オレも見てるけど、くもぴの投球本当にかっこいいもん。話題になるのもわかるし、みんな見る目あるよねん!」
純粋な称賛に、九門は照れくさそうに「えへへ、ありがと」と告げる。それから、恐らく一成がそうやって言ってくれる理由は、と思いながら続ける。
「そうやって色んな人が評価してくれるのが、答えなんじゃないかって思うんだ、オレ」
笑みを深くした九門は言う。手放せなかったもの。どうしたって捨てられなかったもの。そういうものが、きっと今の自分を形作っている。
「簡単に手放せないのはさ、カズさんにとってそれがめちゃくちゃ大切なものだからでしょ? オレが野球を手放せなかったみたいに」
九門は一つ一つ、丁寧に言葉にしていく。届きますように。カズさんの心に、届きますように。祈りながら言う。
「簡単に手放せないものを大事にしてよ」
手放したいと望んでも手放せなかった。それが意味するものを、思い出してほしいと九門は祈る。
一成はまるで懺悔のように、手放せないことを悔いていた。だけれどそれは違うのだと、九門は思う。
ずっとずっと抱え続けて、それでも手放せなかった。理由は簡単だ。だってそれは、どうしたって手放せないほど大切なものだったからだ。
だから、それなら、と九門は祈る。
「手放せなかったことを誇ってよ」
その手でずっと握りしめて、大切にしてきた。長い間ずっと、そうやって抱えてきた。それはきっと、断罪されるものではなくて。ずっとその手で守ってきたのだと、胸を張ることだ。
一成はその言葉に、目を細めて九門を見つめた。
真っ直ぐと放たれた言葉がまぶしい。まるで快晴の空みたいだ、と思うけれど一成は知っている。
九門の言葉や笑顔には、突き抜けるような空の青がよく似合う。だけれどそれは、決してただ明るいだけの空ではない。
夜の暗さも、土砂降りの雨も、寂寞の夕暮れも。何かもを知る晴天だ。